Since2013.10~「100万人の金色のコルダ」、漫画金色のコルダ、Vitaのゲームをベースに、吉羅暁彦理事長と日野香穂子の小説を連載しています。現在単発で吉羅理事長楽章ノベライズや、オクターヴの補完テキスト、パロディマンガ無料掲載中。一部パスワードあり
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なるべくゲームに忠実に理事長描こうとして、疲れました_(:3 」∠)_
あ〜、ついに、ついに……コルダ大学生編が終わってしまった……。
各キャラクターとのマルチエンディングを迎えた漫画単行本を読了した香穂子は、大きな溜息をついてしばしの虚脱状態に陥っていた。
長きに渡る彼らとの恋愛は、これで本当に漫画媒体としては終わってしまったのだ。
……しかし、これはあくまでも漫画の設定だ。
今の現実の自分は、吉羅との事実上の婚約を果たしていて、あとは双方の両親との顔合わせを控えているのだ。
「そうよ……落ち着くのよ」
グランドフィナーレ? いいえ、二人はまだまだこれからなのよ。
嬉しいことも大きいけれど、あちらのご両親との対面を思うと、かなりなプレッシャーを感じずにいられない。
年が若すぎるとか、まだ大学生なのにとか、自分が吉羅の親ならば自分に対して文句をつけたい箇所だらけだった。
……だめだ、自分で自分を貶めちゃいけない!
吉羅に以前叱られたことを思い出した。
学校終わりに単行本を買いに書店にすっ飛んで行き、吉羅の理事長室にも寄らず、夕方にひとりでいるから変に落ち込むのだ。
吉羅にLINEを送るとすぐ返事が来た。
「明日は時間を取れるから、君のお宅に迎えに行こう」
コルダのマンガが終わってしまって寂しいという愚痴めいた書き込みには、返答がなかった。
翌朝、吉羅は香穂子宅に迎えに来てくれた。
何故か、吉羅は一輪のピンクのバラの花を持っている。
それを差し出され、意表を突かれた香穂子は目を白黒させて意外な贈り物を受け取った。
「君は、剣弁高芯咲きというイメージではないな。このように、丸弁カップ咲き……こちらの方が、君にはよく似合うと思ってね」
意味深な笑みを浮かべた吉羅の言葉はよく理解できなかった。
「あの……バラ、ありがとうございます。でも、理事長のおっしゃってる意味がわからなくて、ちんぷんかんぷんなんですが」
恥ずかしがりながらも、香穂子は正直なところを吉羅に告げた。
「ああ、今携帯で調べるなどという無粋な真似はよしてくれたまえ。帰宅後、君が一人になった時に調べるように。いいね?」
吉羅の口調に気圧されて、香穂子ははいと返すしかなかった。
春の終わりだが、涼しくも暑くもない透き通った空気が心地よかった。
今年の桜は2人で眺めた。
これから巡る季節も、ともに過ごしていけるのだ。
「で……なんだね、君はマンガのコルダが終わってしまって、寂しいと言うのかね?」
「は、はい。やっぱり、ちょっと恥ずかしかったけど……いざ終わってしまうとなると、やっぱりなんだか物足りないというか。寂しい……ですね」
ふっ、と吉羅は小さく笑いを洩らした。
「君と私……私たちは、終わってなどいない。むしろ、これからが始まりだというのに?」
思いがけない言葉に、不意に香穂子の頬と胸が熱くなった。
横須賀近くの海沿いの公園に来て、カップルだらけの人混みを避けて、ようやくあまり混雑していないところに辿り着けた。
香穂子の肩を、吉羅の手が軽く抱くようにしてきた。 いつもの日中なら、吉羅にはほとんどこんな真似はされないので、彼女は戸惑いつつも嬉しさが勝っていた。
車に残してきた薔薇の花は、茎の根本は水で満たされた簡易ボトルに差し込まれ、給水されている。
(続きます!)
ゲームに忠実に理事長描こうとして疲れました_(:3 」∠)_
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