Since2013.10~「100万人の金色のコルダ」、漫画金色のコルダ、Vitaのゲームをベースに、吉羅暁彦理事長と日野香穂子の小説を連載しています。現在単発で吉羅理事長楽章ノベライズや、オクターヴの補完テキスト、パロディマンガ無料掲載中。一部パスワードあり
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ある日の夜、吉羅の携帯に香穂子から電話がかかってきた。
特に急がない用事の時はメールなので、危急の用件だと思って出る。
『あ、吉羅さん!すみません、こんな夜分に。今学校にいますか?』
「ああ。今もまだ仕事中だけど、何か急ぎの用事かね?」
『あの、音楽準備室に忘れ物してきちゃいまして』
「忘れ物?何を忘れたのかね?」
『家の鍵とか入れたポーチなんです。今、親も姉も外出中で、その鍵がないと私、家に入れないんです。家の前で鞄探したら、忘れ物に気付いて……』
「準備室には鍵がかかっているが、金澤さんはもう帰宅している」
『えと、あの、どうすればいいでしょうか、私』
香穂子はよほど焦っているのか、電話口のむこうで早口になっている。
外は夜の8時過ぎで、若い娘が一人きりで制服姿でうろつくには微妙な時間帯だ。
「親御さんか、お姉さんに連絡はつかないのかね?」
『親は友達と旅行中で、姉は会社で、今夜締めの残業中だから、すぐには帰れないって言われました……』
「君は今も家の前にいるのかね?それなら、すぐこちらに来なさい」
やがて、香穂子が息を弾ませながら理事長室にやって来た。
「失礼します」
走ってきたと思しく、その後は荒い息で言葉が続かない。
「音楽準備室の鍵を、職員室から持ってきた。その忘れ物を、一緒に探しに行くからついて来たまえ」
鍵を手にした吉羅が、香穂子の前を歩き出す。
「ありがとうございます。……すみません、ご迷惑をおかけして」
「まるで、私は君の担任教師みたいだな。もっとも、私は教員免許は持っていないがね」
吉羅は話しながら、香穂子と歩調を合わせて歩く。
既に生徒は残っておらず、人のいない廊下の明かりは非常灯のみの最小限に絞られていた。
「いつも、こんな時間までお仕事しているんですか?」
「まあ、大抵はね。他の教師陣は、テストの前後はもっと遅くまで問題作成や採点でてんてこ舞いしているよ。私の主な仕事は、学院運営上の最終的な判断や決裁が多いが。
女子生徒を連れて、夜の学校巡りまでする羽目になるとは、思いもよらなかったな」
吉羅は苦笑を浮かべながら、からかい半分で香穂子を見る。
「……夜の学校って、普段と全然様子が違いますよね……」
香穂子の歩くスピードが、だんだん遅くなってきている。
周りをきょろきょろ見回しながら、暗闇のほぼ無人の校内を怖がっているらしい。
「今夜は、なんだかおとなしいね。もしかして、怖いのかな?」
「……………………」
返ってきたのは無言の承諾だった。
「あの……吉羅さん」
「なんだね?」
吉羅のスーツの上着の端を、香穂子の手がそっとつまんでくる。
「やめたまえ。服が伸びてしまう」
言いながら、香穂子に手を差し伸べる。
吉羅の手を見て、一瞬躊躇う香穂子が、意を決して彼の手を握る。
「暗闇を恐れるよりも、もっと他に警戒すべきものがあるんじゃないかね」
「え?」
聞き取れなかったのか、香穂子が聞き返す。
二人は真っ暗な音楽準備室の前に立ち、吉羅は廊下に備え付けてある非常用ライトを手に取り、香穂子に手渡した。
「日野君、このライトで鍵穴を照らしてくれないか」
「はい」
香穂子が差し出したライトの灯りを頼りに、吉羅は開錠に成功した。
室内の照明のスイッチをライトで探り当て、押してみる。
反応がない。
スイッチが入り切りされる音さえしない。
「どうやら、スイッチ部分の回路が破断しているな」
吉羅は渋面を作った。
「明日、修理を頼むことにしよう。日野君の荷物は、どこに置いたのか覚えているかね?」
「確か、ピアノの横の、窓の近くに置いたと思います」
吉羅が香穂子の手を引きながら、窓辺の方に歩いて近寄った。
香穂子が言った辺りをライトで照らす。
「あ、あった!」
香穂子はポーチを手にして、中身を開けた。
「大丈夫です、鍵もありました。ああ、よかった……」
安堵に笑み崩れる香穂子を見ていると、吉羅も自然と顔が笑いを形作ってしまう。
「気をつけたまえ。これが私だったからよかったものの……」
カーテンの隙間から、月光が漏れてくるのがわかる。
「あ、そういえば……今夜は満月ですね」
香穂子はカーテンを引くと、彼女の言う通りに美しい満月が夜空に浮かんでいるのが見える。
「そうだったのか。君に言われるまで、気がつかなかったよ」
「働きすぎなんじゃないですか?ほら、よく言うじゃありませんか。空を見上げる余裕もないほど働いてるって」
「そうかもしれないな。仕事に集中していると、今がいつなのか、時間だとか、日付や季節の概念さえわからなくなる時があるよ」
「季節までわからないって、ほんとですか?」
香穂子が素っ頓狂な声をあげる。
そんなにおかしいのだろうか、と仕事中毒の吉羅には何が問題なのかわかりかねた。
「いや、そういう時があるってことだよ。いつもいつもそうだったら、まるで私は認知症じゃないか」
「そんな吉羅さんなんて想像できませんよ!」
すっかりいつもの快活さを取り戻した香穂子を見て、吉羅は穏やかな気持ちになる。
満月の光はとても明るくて、窓辺にあるピアノも、二人の姿も清明な光で照らし出される。
「……こういう時には、ドビュッシーの『月の光』弾きたくなります」
「月の光か。ぴったりだな」
香穂子がグランドピアノの蓋を開けて、それでも鍵盤には触れずにじっと見つめている。
「私、昔ピアノやってて、それでも辞めちゃったこと、吉羅さんは知ってますよね?ピアノを弾きたい、うまくなりたいって思ったきっかけの曲なんです」
香穂子がどこかせつなげな顔をして、吉羅の方を見つめる。
「私って手が小さいから、ただでさえピアノを弾くには不利なんですよね。指も長くないし、どんなに手を広げても、キーに届かなくて。指がうまく動かなかったことが、悔しくて、悲しくて。
だからなのかな……私、『月の光』のピアノ演奏を聴いてると、泣けちゃう時があるんです。
光は優しく照らしてくれるのに、決してこの手には掴めない気がして……」
それまで黙って彼女の言葉に聞き入っていた吉羅は、香穂子の傍に歩み寄ってきた。
「君を泣かせてしまうかもしれないけど、いいかな」
香穂子が意味をわかりかねて問いかけようかとしていると、次に吉羅はまたも彼女を驚かせた。
ピアノ奏者が座る椅子に着席する。
吉羅の行動を見つめている香穂子は、思いもかけない彼の様子を見て息を呑む。
吉羅の手が鍵盤に触れ、流麗な演奏が始まった。
あくまでも優しく、繊細なタッチで彩られるピアニシモ。
細く長い指の織り成す優美な音の世界に、香穂子は心を奪われる。
姉の命を奪った音楽を憎み、ヴァイオリンを捨てた男が、今自分の目の前で、彼女が憧れてやまない旋律をピアノで奏でてくれている。
自分のために。
こんなことって、本当にあるのだろうか。
月が見せてくれる幸福な幻影じゃないだろうか。
奇跡のように突如現れた目前の光景に、香穂子は魂を揺すぶられる。
白銀色に煌く光を一身に浴びる吉羅の姿が浮かび上がり、優しく彼女に語り掛けるように響いてくる音色。
吉羅は今、間違いなく香穂子のためだけに弾いているのだと確信できた。
いつのまにか、香穂子の大きな瞳から、涙がはらはらとこぼれて落ちた。
演奏を終えた吉羅が香穂子を見上げると、彼女は頬を濡らしていた。
「やっぱり、泣かせてしまったね」
「だって……。だって、吉羅さんが……」
泣きながら言葉の続かない彼女を、吉羅が抱き寄せる。
すすり泣きを続ける香穂子の体の震えが止まるまで、何も言わずに抱きしめ続けた。
規則正しい、彼の心臓の鼓動の音が聞こえる。
広い胸の中に体ごとすっぽり包まれていると、このまま眠ってしまいたいくらいに、安心する。
「ありがとう……もう大丈夫です。ごめんなさい、迷惑かけて」
「迷惑なんかじゃない」
吉羅が、香穂子の前髪をそっと指で払って、額に口づける。
「落ち着いたかな?」
優しく笑いかけてくれる吉羅を、香穂子は潤んだ瞳で見つめる。
自分が本当は何を求めているのかを、眼差しで訴えかける。
香穂子の顎に手をかけて上向かせ、吉羅は軽く唇を合わせる。
「もう帰りなさい。送って行くから」
「……はい」
帰り道は、駐車場まで無言で手を繋いで歩く。
吉羅は、一度はヴァイオリンどころか、音楽に関するすべてを捨て去ったはずだったのに。
ヴァイオリンをしながら同時に習得していたピアノも、同様に手も触れずにいたはずなのに。
香穂子が弾いてくれと迫った訳でもなく、彼が香穂子のためだけに弾いてくれた。
今日のことは、きっとずっと忘れられない。
本当は、彼のヴァイオリンこそ聴いてみたい。
できるのなら、一緒に演奏したいという密やかな願いがある。
でもそれは、いつかの満月の日に。
彼の心に何かの変化が起きた時に。
「満月は、人の心を狂わせると言うが……それは本当だな」
すっかり中天高くに昇った白銀の月を見上げながら、吉羅は呟いた。
「満月の夜は、多くの生命が産まれてくるという。生命は海から芽生えてきた。その海の満ち干は、月の引力によるところが多い。だから、人間も月の影響を受けるのは、ある意味当然かもしれないな」
「私、今夜の月に……感謝します」
香穂子は、吉羅の手を握る手に力を加える。
「今夜のことは、わかっているね」
「はい。二人だけの秘密、ですね」
ひとしきり泣いた後で、目の周りが赤くなっている香穂子が嬉しそうに微笑んだ。
胸の裡に繰り返しリフレインする、繊細な美しい音色。
眩い月の光に照らされ、ピアノを弾き続ける彼の姿。
満月の見せてくれた幻想的な贈り物は、香穂子の宝物になった。
特に急がない用事の時はメールなので、危急の用件だと思って出る。
『あ、吉羅さん!すみません、こんな夜分に。今学校にいますか?』
「ああ。今もまだ仕事中だけど、何か急ぎの用事かね?」
『あの、音楽準備室に忘れ物してきちゃいまして』
「忘れ物?何を忘れたのかね?」
『家の鍵とか入れたポーチなんです。今、親も姉も外出中で、その鍵がないと私、家に入れないんです。家の前で鞄探したら、忘れ物に気付いて……』
「準備室には鍵がかかっているが、金澤さんはもう帰宅している」
『えと、あの、どうすればいいでしょうか、私』
香穂子はよほど焦っているのか、電話口のむこうで早口になっている。
外は夜の8時過ぎで、若い娘が一人きりで制服姿でうろつくには微妙な時間帯だ。
「親御さんか、お姉さんに連絡はつかないのかね?」
『親は友達と旅行中で、姉は会社で、今夜締めの残業中だから、すぐには帰れないって言われました……』
「君は今も家の前にいるのかね?それなら、すぐこちらに来なさい」
やがて、香穂子が息を弾ませながら理事長室にやって来た。
「失礼します」
走ってきたと思しく、その後は荒い息で言葉が続かない。
「音楽準備室の鍵を、職員室から持ってきた。その忘れ物を、一緒に探しに行くからついて来たまえ」
鍵を手にした吉羅が、香穂子の前を歩き出す。
「ありがとうございます。……すみません、ご迷惑をおかけして」
「まるで、私は君の担任教師みたいだな。もっとも、私は教員免許は持っていないがね」
吉羅は話しながら、香穂子と歩調を合わせて歩く。
既に生徒は残っておらず、人のいない廊下の明かりは非常灯のみの最小限に絞られていた。
「いつも、こんな時間までお仕事しているんですか?」
「まあ、大抵はね。他の教師陣は、テストの前後はもっと遅くまで問題作成や採点でてんてこ舞いしているよ。私の主な仕事は、学院運営上の最終的な判断や決裁が多いが。
女子生徒を連れて、夜の学校巡りまでする羽目になるとは、思いもよらなかったな」
吉羅は苦笑を浮かべながら、からかい半分で香穂子を見る。
「……夜の学校って、普段と全然様子が違いますよね……」
香穂子の歩くスピードが、だんだん遅くなってきている。
周りをきょろきょろ見回しながら、暗闇のほぼ無人の校内を怖がっているらしい。
「今夜は、なんだかおとなしいね。もしかして、怖いのかな?」
「……………………」
返ってきたのは無言の承諾だった。
「あの……吉羅さん」
「なんだね?」
吉羅のスーツの上着の端を、香穂子の手がそっとつまんでくる。
「やめたまえ。服が伸びてしまう」
言いながら、香穂子に手を差し伸べる。
吉羅の手を見て、一瞬躊躇う香穂子が、意を決して彼の手を握る。
「暗闇を恐れるよりも、もっと他に警戒すべきものがあるんじゃないかね」
「え?」
聞き取れなかったのか、香穂子が聞き返す。
二人は真っ暗な音楽準備室の前に立ち、吉羅は廊下に備え付けてある非常用ライトを手に取り、香穂子に手渡した。
「日野君、このライトで鍵穴を照らしてくれないか」
「はい」
香穂子が差し出したライトの灯りを頼りに、吉羅は開錠に成功した。
室内の照明のスイッチをライトで探り当て、押してみる。
反応がない。
スイッチが入り切りされる音さえしない。
「どうやら、スイッチ部分の回路が破断しているな」
吉羅は渋面を作った。
「明日、修理を頼むことにしよう。日野君の荷物は、どこに置いたのか覚えているかね?」
「確か、ピアノの横の、窓の近くに置いたと思います」
吉羅が香穂子の手を引きながら、窓辺の方に歩いて近寄った。
香穂子が言った辺りをライトで照らす。
「あ、あった!」
香穂子はポーチを手にして、中身を開けた。
「大丈夫です、鍵もありました。ああ、よかった……」
安堵に笑み崩れる香穂子を見ていると、吉羅も自然と顔が笑いを形作ってしまう。
「気をつけたまえ。これが私だったからよかったものの……」
カーテンの隙間から、月光が漏れてくるのがわかる。
「あ、そういえば……今夜は満月ですね」
香穂子はカーテンを引くと、彼女の言う通りに美しい満月が夜空に浮かんでいるのが見える。
「そうだったのか。君に言われるまで、気がつかなかったよ」
「働きすぎなんじゃないですか?ほら、よく言うじゃありませんか。空を見上げる余裕もないほど働いてるって」
「そうかもしれないな。仕事に集中していると、今がいつなのか、時間だとか、日付や季節の概念さえわからなくなる時があるよ」
「季節までわからないって、ほんとですか?」
香穂子が素っ頓狂な声をあげる。
そんなにおかしいのだろうか、と仕事中毒の吉羅には何が問題なのかわかりかねた。
「いや、そういう時があるってことだよ。いつもいつもそうだったら、まるで私は認知症じゃないか」
「そんな吉羅さんなんて想像できませんよ!」
すっかりいつもの快活さを取り戻した香穂子を見て、吉羅は穏やかな気持ちになる。
満月の光はとても明るくて、窓辺にあるピアノも、二人の姿も清明な光で照らし出される。
「……こういう時には、ドビュッシーの『月の光』弾きたくなります」
「月の光か。ぴったりだな」
香穂子がグランドピアノの蓋を開けて、それでも鍵盤には触れずにじっと見つめている。
「私、昔ピアノやってて、それでも辞めちゃったこと、吉羅さんは知ってますよね?ピアノを弾きたい、うまくなりたいって思ったきっかけの曲なんです」
香穂子がどこかせつなげな顔をして、吉羅の方を見つめる。
「私って手が小さいから、ただでさえピアノを弾くには不利なんですよね。指も長くないし、どんなに手を広げても、キーに届かなくて。指がうまく動かなかったことが、悔しくて、悲しくて。
だからなのかな……私、『月の光』のピアノ演奏を聴いてると、泣けちゃう時があるんです。
光は優しく照らしてくれるのに、決してこの手には掴めない気がして……」
それまで黙って彼女の言葉に聞き入っていた吉羅は、香穂子の傍に歩み寄ってきた。
「君を泣かせてしまうかもしれないけど、いいかな」
香穂子が意味をわかりかねて問いかけようかとしていると、次に吉羅はまたも彼女を驚かせた。
ピアノ奏者が座る椅子に着席する。
吉羅の行動を見つめている香穂子は、思いもかけない彼の様子を見て息を呑む。
吉羅の手が鍵盤に触れ、流麗な演奏が始まった。
あくまでも優しく、繊細なタッチで彩られるピアニシモ。
細く長い指の織り成す優美な音の世界に、香穂子は心を奪われる。
姉の命を奪った音楽を憎み、ヴァイオリンを捨てた男が、今自分の目の前で、彼女が憧れてやまない旋律をピアノで奏でてくれている。
自分のために。
こんなことって、本当にあるのだろうか。
月が見せてくれる幸福な幻影じゃないだろうか。
奇跡のように突如現れた目前の光景に、香穂子は魂を揺すぶられる。
白銀色に煌く光を一身に浴びる吉羅の姿が浮かび上がり、優しく彼女に語り掛けるように響いてくる音色。
吉羅は今、間違いなく香穂子のためだけに弾いているのだと確信できた。
いつのまにか、香穂子の大きな瞳から、涙がはらはらとこぼれて落ちた。
演奏を終えた吉羅が香穂子を見上げると、彼女は頬を濡らしていた。
「やっぱり、泣かせてしまったね」
「だって……。だって、吉羅さんが……」
泣きながら言葉の続かない彼女を、吉羅が抱き寄せる。
すすり泣きを続ける香穂子の体の震えが止まるまで、何も言わずに抱きしめ続けた。
規則正しい、彼の心臓の鼓動の音が聞こえる。
広い胸の中に体ごとすっぽり包まれていると、このまま眠ってしまいたいくらいに、安心する。
「ありがとう……もう大丈夫です。ごめんなさい、迷惑かけて」
「迷惑なんかじゃない」
吉羅が、香穂子の前髪をそっと指で払って、額に口づける。
「落ち着いたかな?」
優しく笑いかけてくれる吉羅を、香穂子は潤んだ瞳で見つめる。
自分が本当は何を求めているのかを、眼差しで訴えかける。
香穂子の顎に手をかけて上向かせ、吉羅は軽く唇を合わせる。
「もう帰りなさい。送って行くから」
「……はい」
帰り道は、駐車場まで無言で手を繋いで歩く。
吉羅は、一度はヴァイオリンどころか、音楽に関するすべてを捨て去ったはずだったのに。
ヴァイオリンをしながら同時に習得していたピアノも、同様に手も触れずにいたはずなのに。
香穂子が弾いてくれと迫った訳でもなく、彼が香穂子のためだけに弾いてくれた。
今日のことは、きっとずっと忘れられない。
本当は、彼のヴァイオリンこそ聴いてみたい。
できるのなら、一緒に演奏したいという密やかな願いがある。
でもそれは、いつかの満月の日に。
彼の心に何かの変化が起きた時に。
「満月は、人の心を狂わせると言うが……それは本当だな」
すっかり中天高くに昇った白銀の月を見上げながら、吉羅は呟いた。
「満月の夜は、多くの生命が産まれてくるという。生命は海から芽生えてきた。その海の満ち干は、月の引力によるところが多い。だから、人間も月の影響を受けるのは、ある意味当然かもしれないな」
「私、今夜の月に……感謝します」
香穂子は、吉羅の手を握る手に力を加える。
「今夜のことは、わかっているね」
「はい。二人だけの秘密、ですね」
ひとしきり泣いた後で、目の周りが赤くなっている香穂子が嬉しそうに微笑んだ。
胸の裡に繰り返しリフレインする、繊細な美しい音色。
眩い月の光に照らされ、ピアノを弾き続ける彼の姿。
満月の見せてくれた幻想的な贈り物は、香穂子の宝物になった。
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「吉羅さんって、今はもうヴァイオリン弾かないのはわかってますけど、他に楽器とか弾かないんですか?」
唐突な香穂子の問いに、吉羅は即答する。
「今はもう弾くことはないね」
「今は、ってことは昔は違う楽器やってらしたんですか?」
「まあね。クラシック奏者である以上は、まずピアノは基本だろう。君も昔はピアノを弾いていたんだろう?」
香穂子自身は、ピアノはキーを押さえることの難しさにバイエルを投げ出してしまった。
「ええ、根気が続かなくてやめちゃったんですけど。……それで、その……」
言いにくそうにもじもじする香穂子の様子を、吉羅は不審そうに眺めている。
「なんだね?何か言いたいことがあるなら、言ってみたまえ」
察しのいい吉羅には、隠し事などできそうにない。
「あの……一度でいいんです。吉羅さんのピアノ、弾いてくれませんか?」
唐突な香穂子の問いに、吉羅は即答する。
「今はもう弾くことはないね」
「今は、ってことは昔は違う楽器やってらしたんですか?」
「まあね。クラシック奏者である以上は、まずピアノは基本だろう。君も昔はピアノを弾いていたんだろう?」
香穂子自身は、ピアノはキーを押さえることの難しさにバイエルを投げ出してしまった。
「ええ、根気が続かなくてやめちゃったんですけど。……それで、その……」
言いにくそうにもじもじする香穂子の様子を、吉羅は不審そうに眺めている。
「なんだね?何か言いたいことがあるなら、言ってみたまえ」
察しのいい吉羅には、隠し事などできそうにない。
「あの……一度でいいんです。吉羅さんのピアノ、弾いてくれませんか?」
「彼女の身上書などは、用意してくれましたか?金澤さん」
「ああ。そこに一揃いまとめてある」
「結構。では、拝見させていただきます」
理事長室の職務机に並べられた書類の束を手に取り、吉羅は日野香穂子の生徒資料を眺めていた。
個人情報保護に煩い昨今、生活指導や進路指導の用途のみに制限され、厳重な手続きを踏まないと、セキュリティ万全の資料室から容易に持ち出しもできない。
しかし、他ならぬ理事長自身による要請で、それはあっさりと吉羅の手へと渡ったのだ。
まだ斜め読みの段階だが、現在普通科二年に籍を置く彼女は、これまではヴァイオリンに手を触れたこともなかったという。
「事実ですか?」
「間違いないよ。選択授業も音楽じゃなく美術だし、部活や文化祭でも楽器演奏に携わったこともない。部活は文芸部の幽霊部員」
吉羅が細く長い指で紙をめくる音がする。
「彼女の経歴の中において、音楽的な素養は皆無に近いですね。中学までの音楽の内申評定は、大体において4。悪くはないが、常に5というわけではなかった」
「ああ。しかし、あの妖精が見えるくらいだから、間違いなく素質はあるんだろうよ」
「それはそうなのですが……」
吉羅の顔は、明らかに曇っている。
期待はずれだと言わんばかりの渋面を作り、納得しがたいのを表情に出している。
「ああ、そういや思い出したけど。いつだったか日野が言ってたんだが、小さい頃にはピアノをやってたんだと」
「ピアノ、ですか?それはどれほどの進度で?」
吉羅は、日野がピアノ習得の履歴があるということに一縷の望みを見出したらしく、声のトーンがやや上がる。
「うーん、なんだったかな。三年だか四年だかやってたらしいんだが。それも小学校の頃で、バイエル上級になってついていけなくなったんだと」
「上級ですか……やはり常道の、運指が覚束なくなったというあれですかね」
「そんなようなことも言ってたぞ。キーを押さえられなくなって、結局挫折しちまったらしい。
あいつ、背丈は確か160程度で標準的だが、手足が細くて華奢だしな。手も小さいんだよ」
日野香穂子の顔写真と、クラスの集合写真も資料として添付されているのを抜き出し、吉羅はそれを確認した。
「なるほど。確かに華奢ですね。ヴァイオリンは、案外と体力を必要とする楽器です。気力は言うまでもない。……バイエルで挫折する程度の根気で、彼女は耐えられるんでしょうかね」
吉羅は値踏みするように、日野の写真を眺めた。
まっすぐな視線をこちらに向けている少女の瞳が、輝いている。
「うーん、まあ本人はヴァイオリンを弾くのが好きでたまらないと公言しているんだよ。昔ピアノは辞めたけど、ヴァイオリンは好きだから、下手の横好きと言われても続けると言ってる」
吉羅は鼻先で軽く嗤った。
「まさに、下手の横好きそのものでしょう。この前、彼女の演奏を聞かせてもらいましたよ。
アルジェントから与えられたヴァイオリン無しでは、酷いものでした」
「その地力をアップさせるために、大学生の王崎や、同じヴァイオリン奏者の月森も日野に指導してやってるんだよ」
吉羅は、溜息をついて読み終えた資料を揃えて机に置いた。
「それが本当に彼女のためになりますかね?王崎君も月森君も、有望なヴァイオリン奏者です。特に月森君の技術は、傑出している。凡百の奏者など及ばない、卓越した技巧を持っている。その彼に、日野君の指導をさせる暇があるなら、私は彼自身の技術に磨きをかけてもらいたいですね」
にべもない言い方だった。
金澤は、肩を竦めながら強情な後輩に説得する。
「月森が、ここんとこ自分のレッスン終了後に、日野に手をかけてやってるのは確かだ。
だが、協調性に欠けてる月森にとっちゃ、俺は大いなる進歩を遂げてると思う。あいつは確かに技巧派で、高校生レベルを超越してる。プロのソリストと肩を並べるくらいだよ。しかし、あいつの音に欠けてるものがある」
「なんですか?」
「情だよ。感情ってものが、あいつの演奏には足りなかった」
「感情?くだらないですね」
吉羅は金澤の熱弁を、あっさりと一蹴した。
合理主義者で、実利を重んじ、そのためには手段を選ばない。
外資系企業の経営コンサルタントを歴任し、数々の会社建て直しに成功してきた吉羅は、
経営悪化した星奏学院の改善をするよう、ここに理事長として就任してきた。
しかし、それは吉羅の意志に基づくものではなかった。
創立者一族の直系子孫の中から、学院の危機的状況を救うに足る有能な者として、彼に白羽の矢が立てられたのだ。
半ば強制的に理事長着任を余儀なくされ、本人は不本意な仕事をさせられるといった気持ちを隠そうともしない。
ただし、それは長年の竹馬の友と言える、金澤の前でこその話だ。
「理事会でも、結局は日野に投資すると決定されたんだろ?」
「知らない間にですよ。理事長であっても、私は蚊帳の外です。見込みのなさそうな者に投資などと寝言を言ってるから、ここまで経営破綻に近いような状況を招いたというのに。それが、頭の固いお歴々にはおわかりでないようで」
憤然とした吉羅の言い分は、押し付けられた役割に対し、不本意に感じているのを剥き出しにしていた。
「ま、……おまえさんも苦労するよな。同情するぜ」
長い癖毛に手を突っ込み、無造作に頭を掻く金澤の声にからかいの調子を見出し、吉羅が鋭い視線を走らせる。
「とにかく、決まっちまったもんはしょうがないだろ。近いうち日野を連れてくるから、顔合わせくらいしてやってくれよ」
「もう彼女とは会っていますよ」
「へ?」
意外な返答に、金澤は素っ頓狂な声をあげた。
「半月ほど前でしたか。理事会が行われる直前に、私が資料を取りに学内へ入ろうとしたら、森の広場で彼女に出くわしましてね」
「そうだったのかよ。なんだよ、じゃあお互い顔は見知ってるってわけか?」
「そうですね。私はその時、次期理事長になると自己紹介しましたし。彼女は、普通科の制服でヴァイオリンケースを持っていたので、てっきり普通科の選択授業で音楽を取ってる生徒かと思いました。日野君の名は訊かなかったのですが、さっき写真を見てわかりました」
「じゃ、あいつ、見た目の割に結構芯が強いってのはわかったか?」
吉羅が、珍しく微笑を浮かべながら話を続けた。
「まあ、そうでしょうね。最初、私が背後から声かけしたのがまずかったんでしょうが、不審者を見る目で警戒心剥き出しでしたよ。怯えた栗鼠みたいでね。今にも、ヴァイオリンケースで殴りつけられるんじゃないかと、内心焦りましたよ。薄暮の時間帯でしたし、性犯罪者と疑われちゃたまらない」
多分こいつ、今自分が笑ってるのに気付いてねーよな。
金澤は、日野のことを思い出しながら語る吉羅の様子を眺めて、からかおうと思ったがやめておいた。
やれやれ、日野。おまえさん、前途多難だぞ。
しかし吉羅の奴も、俺が全部話し終えて、日野と引き合わせる算段まで日野と会ってたこと言わずじまいとは、相変わらず人の悪い野郎だ。
「ま、それは第一種接近遭遇ってことで置いといて、正式に理事長就任後の挨拶してやらにゃいかんだろ。日野に、週末ここに来るよう言っとくから、放課後時間空けとけよ、理事長様」
「ああ。そこに一揃いまとめてある」
「結構。では、拝見させていただきます」
理事長室の職務机に並べられた書類の束を手に取り、吉羅は日野香穂子の生徒資料を眺めていた。
個人情報保護に煩い昨今、生活指導や進路指導の用途のみに制限され、厳重な手続きを踏まないと、セキュリティ万全の資料室から容易に持ち出しもできない。
しかし、他ならぬ理事長自身による要請で、それはあっさりと吉羅の手へと渡ったのだ。
まだ斜め読みの段階だが、現在普通科二年に籍を置く彼女は、これまではヴァイオリンに手を触れたこともなかったという。
「事実ですか?」
「間違いないよ。選択授業も音楽じゃなく美術だし、部活や文化祭でも楽器演奏に携わったこともない。部活は文芸部の幽霊部員」
吉羅が細く長い指で紙をめくる音がする。
「彼女の経歴の中において、音楽的な素養は皆無に近いですね。中学までの音楽の内申評定は、大体において4。悪くはないが、常に5というわけではなかった」
「ああ。しかし、あの妖精が見えるくらいだから、間違いなく素質はあるんだろうよ」
「それはそうなのですが……」
吉羅の顔は、明らかに曇っている。
期待はずれだと言わんばかりの渋面を作り、納得しがたいのを表情に出している。
「ああ、そういや思い出したけど。いつだったか日野が言ってたんだが、小さい頃にはピアノをやってたんだと」
「ピアノ、ですか?それはどれほどの進度で?」
吉羅は、日野がピアノ習得の履歴があるということに一縷の望みを見出したらしく、声のトーンがやや上がる。
「うーん、なんだったかな。三年だか四年だかやってたらしいんだが。それも小学校の頃で、バイエル上級になってついていけなくなったんだと」
「上級ですか……やはり常道の、運指が覚束なくなったというあれですかね」
「そんなようなことも言ってたぞ。キーを押さえられなくなって、結局挫折しちまったらしい。
あいつ、背丈は確か160程度で標準的だが、手足が細くて華奢だしな。手も小さいんだよ」
日野香穂子の顔写真と、クラスの集合写真も資料として添付されているのを抜き出し、吉羅はそれを確認した。
「なるほど。確かに華奢ですね。ヴァイオリンは、案外と体力を必要とする楽器です。気力は言うまでもない。……バイエルで挫折する程度の根気で、彼女は耐えられるんでしょうかね」
吉羅は値踏みするように、日野の写真を眺めた。
まっすぐな視線をこちらに向けている少女の瞳が、輝いている。
「うーん、まあ本人はヴァイオリンを弾くのが好きでたまらないと公言しているんだよ。昔ピアノは辞めたけど、ヴァイオリンは好きだから、下手の横好きと言われても続けると言ってる」
吉羅は鼻先で軽く嗤った。
「まさに、下手の横好きそのものでしょう。この前、彼女の演奏を聞かせてもらいましたよ。
アルジェントから与えられたヴァイオリン無しでは、酷いものでした」
「その地力をアップさせるために、大学生の王崎や、同じヴァイオリン奏者の月森も日野に指導してやってるんだよ」
吉羅は、溜息をついて読み終えた資料を揃えて机に置いた。
「それが本当に彼女のためになりますかね?王崎君も月森君も、有望なヴァイオリン奏者です。特に月森君の技術は、傑出している。凡百の奏者など及ばない、卓越した技巧を持っている。その彼に、日野君の指導をさせる暇があるなら、私は彼自身の技術に磨きをかけてもらいたいですね」
にべもない言い方だった。
金澤は、肩を竦めながら強情な後輩に説得する。
「月森が、ここんとこ自分のレッスン終了後に、日野に手をかけてやってるのは確かだ。
だが、協調性に欠けてる月森にとっちゃ、俺は大いなる進歩を遂げてると思う。あいつは確かに技巧派で、高校生レベルを超越してる。プロのソリストと肩を並べるくらいだよ。しかし、あいつの音に欠けてるものがある」
「なんですか?」
「情だよ。感情ってものが、あいつの演奏には足りなかった」
「感情?くだらないですね」
吉羅は金澤の熱弁を、あっさりと一蹴した。
合理主義者で、実利を重んじ、そのためには手段を選ばない。
外資系企業の経営コンサルタントを歴任し、数々の会社建て直しに成功してきた吉羅は、
経営悪化した星奏学院の改善をするよう、ここに理事長として就任してきた。
しかし、それは吉羅の意志に基づくものではなかった。
創立者一族の直系子孫の中から、学院の危機的状況を救うに足る有能な者として、彼に白羽の矢が立てられたのだ。
半ば強制的に理事長着任を余儀なくされ、本人は不本意な仕事をさせられるといった気持ちを隠そうともしない。
ただし、それは長年の竹馬の友と言える、金澤の前でこその話だ。
「理事会でも、結局は日野に投資すると決定されたんだろ?」
「知らない間にですよ。理事長であっても、私は蚊帳の外です。見込みのなさそうな者に投資などと寝言を言ってるから、ここまで経営破綻に近いような状況を招いたというのに。それが、頭の固いお歴々にはおわかりでないようで」
憤然とした吉羅の言い分は、押し付けられた役割に対し、不本意に感じているのを剥き出しにしていた。
「ま、……おまえさんも苦労するよな。同情するぜ」
長い癖毛に手を突っ込み、無造作に頭を掻く金澤の声にからかいの調子を見出し、吉羅が鋭い視線を走らせる。
「とにかく、決まっちまったもんはしょうがないだろ。近いうち日野を連れてくるから、顔合わせくらいしてやってくれよ」
「もう彼女とは会っていますよ」
「へ?」
意外な返答に、金澤は素っ頓狂な声をあげた。
「半月ほど前でしたか。理事会が行われる直前に、私が資料を取りに学内へ入ろうとしたら、森の広場で彼女に出くわしましてね」
「そうだったのかよ。なんだよ、じゃあお互い顔は見知ってるってわけか?」
「そうですね。私はその時、次期理事長になると自己紹介しましたし。彼女は、普通科の制服でヴァイオリンケースを持っていたので、てっきり普通科の選択授業で音楽を取ってる生徒かと思いました。日野君の名は訊かなかったのですが、さっき写真を見てわかりました」
「じゃ、あいつ、見た目の割に結構芯が強いってのはわかったか?」
吉羅が、珍しく微笑を浮かべながら話を続けた。
「まあ、そうでしょうね。最初、私が背後から声かけしたのがまずかったんでしょうが、不審者を見る目で警戒心剥き出しでしたよ。怯えた栗鼠みたいでね。今にも、ヴァイオリンケースで殴りつけられるんじゃないかと、内心焦りましたよ。薄暮の時間帯でしたし、性犯罪者と疑われちゃたまらない」
多分こいつ、今自分が笑ってるのに気付いてねーよな。
金澤は、日野のことを思い出しながら語る吉羅の様子を眺めて、からかおうと思ったがやめておいた。
やれやれ、日野。おまえさん、前途多難だぞ。
しかし吉羅の奴も、俺が全部話し終えて、日野と引き合わせる算段まで日野と会ってたこと言わずじまいとは、相変わらず人の悪い野郎だ。
「ま、それは第一種接近遭遇ってことで置いといて、正式に理事長就任後の挨拶してやらにゃいかんだろ。日野に、週末ここに来るよう言っとくから、放課後時間空けとけよ、理事長様」
はじめまして!モバゲー版100万人の金色のコルダ・コルダ2・コルダマンガ版等織り交ぜながらの
半分ほどが架空設定の微エロ・ハードエロの現在連載中のお話、あとはモバゲー版の吉羅理事長のお話を勝手にノベライズ&創作を入れています。
R18の時系列は、R18 エロ 二学期末まで 年内のお話。
香穂子ちゃんが普通科二年生の秋に理事長に処女を奪われて、クリスマスの前までです。
下のバナーから購入できます。一部216円となります<(_ _)>
ちなみにAF(エイプリルフール)で書き下ろしされた理事長様シナリオを、理事長視点でエロ化して捏造したテキストはこちらです♪一部108円でございます。
【AF吉羅理事長視点「○彦兄さま」】
以後、順次DLsiteにて販売予定です。
次が R18 クリスマス・新年の話
翌年(2014年現在の)→R18 三学期からの話~R18 転科後 三年生音楽科の話
R18 三年生夏休みのお話
現在となっています。
もしものお話多数、コミック多数ありますが、目下理事長様と香穂子ちゃんのエロマンガ作成に没頭していたため殆ど内整理ができていません。
あと、ヤフーモバゲー版「100万人の金色のコルダ」中の吉羅暁彦理事長のエピソードを、勝手にノベライズしていました。
100万人の金色のコルダ 吉羅エピソード補完 現在非公開
こちらは、100コルの中のシナリオを忠実にコピーしているのではなく、作者が行間を勝手に想像して小説形式にしてアップロードしています。香穂子ちゃんの台詞、感情などは想像です。
基本的に2013年~2014年現在の、リアルタイムの時系列で書いています。香穂子ちゃん高二の三学期、吉羅暁彦理事長は32になったところです(2014年1月3日の時点で)
吉羅暁彦理事長×日野香穂子 のみを書く・描くSS置き場です。
漫画やイラストも描いていて、ブログ内の絵は全て自作です。半分ほどが架空設定の微エロ・ハードエロの現在連載中のお話、あとはモバゲー版の吉羅理事長のお話を勝手にノベライズ&創作を入れています。
R18の時系列は、R18 エロ 二学期末まで 年内のお話。
香穂子ちゃんが普通科二年生の秋に理事長に処女を奪われて、クリスマスの前までです。
下のバナーから購入できます。一部216円となります<(_ _)>
【理事長×香穂子 R18 二学期末まで 1話~29話】
PDFで1メガちょっと、テキストだと100KBを超えます。なので読み応えはあるかと。ちなみにAF(エイプリルフール)で書き下ろしされた理事長様シナリオを、理事長視点でエロ化して捏造したテキストはこちらです♪一部108円でございます。
【AF吉羅理事長視点「○彦兄さま」】
以後、順次DLsiteにて販売予定です。
次が R18 クリスマス・新年の話
翌年(2014年現在の)→R18 三学期からの話~R18 転科後 三年生音楽科の話
R18 三年生夏休みのお話
現在となっています。
もしものお話多数、コミック多数ありますが、目下理事長様と香穂子ちゃんのエロマンガ作成に没頭していたため殆ど内整理ができていません。
あと、ヤフーモバゲー版「100万人の金色のコルダ」中の吉羅暁彦理事長のエピソードを、勝手にノベライズしていました。
100万人の金色のコルダ 吉羅エピソード補完 現在非公開
こちらは、100コルの中のシナリオを忠実にコピーしているのではなく、作者が行間を勝手に想像して小説形式にしてアップロードしています。香穂子ちゃんの台詞、感情などは想像です。
基本的に2013年~2014年現在の、リアルタイムの時系列で書いています。香穂子ちゃん高二の三学期、吉羅暁彦理事長は32になったところです(2014年1月3日の時点で)
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