こちらは線描のみ。
こちらは明度を下げて彩度を上げたもの。また違った感じになりました。
今夜はスーパームーンですね。
昨年書いたお月見のお話=十六夜の月と併せて読んでもらえたら嬉しいです♪
香穂子の前髪が吉羅の指で払われて、額に柔らかなものが触れる。
少しして、キスされたのだとわかった。
彼を見上げると、微笑を浮かべている。
心が踊るように弾む気持ちと、からかっているのかと責めたい気持ちがないまぜになって香穂子を混乱に陥れる。
「……意地悪」
香穂子がぽつりと呟いた言葉に、彼が珍しく溜息をついた。
「男を誘う言葉を口に出すのは、まだ少々早い気がするね。……震えている」
またそうやって子供扱いする――
そう言いたくなったが、言い争いというよりも香穂子の我侭を、吉羅にいなされてしまうだけだと思って口を噤んだ。
「……じゃあ、お願いです。抱きしめてください。……強く」
今度こそ、吉羅の両腕が香穂子の華奢な体をくるむようにして捉える。
「もっと……もっと強く」
言いながら、香穂子も吉羅の広い背中に精一杯腕を回す。
彼の体の厚みを、このぬくもりを覚えていたい。
こうしているだけで、もう何も言えなくなる。
いつまでもこうしていたい。
……でも…………
「……そろそろ、君をお家に帰さないとな」
吉羅はぽつりと呟いた。
緩やかに腕が解かれていく。
体が離れるのを寂しい想いでこらえていると、香穂子の肩に吉羅の手がかかった。
「君を帰すまでは、こうしていてもいいだろう?」
(一応終わり)
絵を描き足しました!
「君は代価に相応しい働きをしてくれた。その指輪に価値があると思うなら、それなりに大事にしてくれたまえ」
優しい、慈しむような笑顔で言われてしまった。
こんな時だけ、学院では滅多に見せない優しい表情を向けてくるだなんて……ずるい。
もっとその眼差しを、この腕を、独占したい気持ちが膨らんでくる。
本当に婚約者だったなら。
いえ、彼の恋人になれたならどんなにか……
「……理事長が、私を本当の婚約者として。……恋人として扱うつもりがないのでしたら、やっぱりこれは受け取るわけにはいきません」
香穂子はうつむいてそう告げた。
心臓の脈動が早くなる。
彼の顔を見るのが恐くて顔を伏せる。
「誰が、一言でもそんなことを言ったかね?」
彼の声は穏やかで、呆れたとか怒っている響きはない。
「……ひとつだけ、聞かせてください。理事長は、私をどう思っていらっしゃるんですか?」
「だから言ったろう?……今日は、君は私の婚約者なのだと。君を大人の女性として扱うと決めたのだから、子供のように駄々をこねないで貰えるといいんだが」
勝手な言い分に聞こえてきて、段々と香穂子の中で理不尽だという想いが湧き出てくる。
17の小娘に向かって、それはないだろうと思う。
こんな時だけ大人の態度を示せだなんて。
「……じゃあ、今夜だけは。私を、本当の婚約者みたいに思ってくださるんですよね?」
「そのつもりでいるんだが」
体温を感じるほど接しているのが嬉しい反面、苦しくなる。
香穂子が吉羅への思慕を募らせているのに、彼は芝居なのか本気なのかまったくわからない。「……帰りたくない」
(絵と本文の続きが出てきます。絵に抵抗ある方閲覧ご遠慮下さい)
香穂子は、そう呟いて吉羅の胸に体を寄せた。
ひどく大胆なことをしているとわかっているけれど、もう止められない。
彼の胸板にそっと腕を這わせる。
吉羅は懐に抱く形になった香穂子を見下ろしている。
彼女を抱き寄せるわけでもないが、かといって突き放すのでもなかった。
「……君は、その言葉の意味をわかって言っているのかね?」
低められた彼の声。
諭すような深い響きの声音がして、次に何を言われるのか恐かった。
好きなのに恐い。
好きだから恐い。
「……わかっています」
喉が締め付けられるようで、声が掠れて震える。
そこから体に震えが移行していってしまう。
背中に、吉羅の手が触れられた。
大きな温かい掌のぬくもりが伝わる。
それは快いはずなのに、心が痛い。
好きじゃないなら触れないで欲しい。
苦しくて切なくて、身体が引き絞られていくようだった。
1「いいスイカの見分け方はだね。叩いてわかるんじゃない、切った時に包丁を入れると真ん中からスパッと勝手に割れるんだよ(ドヤァ)どれ、やってみせようか」
2「私にとってLTEというのは、スマホのネット接続方法ではない。プログレッシブメタル・DreamTheaterの別プロジェクト、Liquid Tention Experimentの略称=LTEなんだよキリッ」
3「私がこうして、座ってタイを緩めたからにはわかるね?……君の手で、ベルトを外してもらおうか。そこに跪きたまえ」
4「……ふう。よかったよ……日野君。君は見かけよりもずっと早熟なんだな。これからの仕込み甲斐があるというものだ( ̄ー ̄)ニヤリ」
「えっもう終わったんですか、いつのまに( ゚д゚)ポカーン」
「いつってその、気付かなかったのかね( д) ゚ ゚」
↑これはwwwないwww
これはやはり、エロ展開か。
あるいは自分に歯向かう格下男を弄う時、ですかね。
椅子に座って脚組んでるとこ描きたかったけど、理事長室の椅子の構造が不明で描けなかった…ので肩より上だけトリミングして着彩しました。
ずーっと、暁彦君描きたいなと思ってて描いてはみたんですが、どーも納得できないので破棄したのが五枚ほど…(´・ω・`)
難しい題材でしたが、この後に出てくるお話のイメージカットとして描いてみて、うん、まあ、これは美少年にできたかと思ったのを…出してみることにしますた(`・ω・´)
生意気で、気の強そうな(実際相当に負けん気が強い)美少年!いいですよねえ。私は衛藤君よりも、吉羅理事長の高校生の時のが好きです。
雨だれの絵と、コルダ2アンコールの絵でやられましたっ…!!
夕方に、高一暁彦君の日記の2をアップします。きっと夕方は多忙を極めるので、今のうちに時間をセットしておかねば。