Since2013.10~「100万人の金色のコルダ」、漫画金色のコルダ、Vitaのゲームをベースに、吉羅暁彦理事長と日野香穂子の小説を連載しています。現在単発で吉羅理事長楽章ノベライズや、オクターヴの補完テキスト、パロディマンガ無料掲載中。一部パスワードあり
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「――あれ?おまえ、吉羅?吉羅じゃねーかよ」
聞き覚えのある張りのあるテノールの声が僕を呼び止め、その声の主を振り返った。
「……金澤先輩?」
彼が少し驚いた風で眼を見開き、僕を見ていた。
「何やってんだよ。あいつ知り合いか?」
僕を追って来ようとしたスカジャン男が、背が高く体格もいい金澤先輩と僕が話しているのを見て、慌てたように逃げ去って行ってしまった。
「……なんなんだ、ありゃ?」
金澤先輩は怪訝そうにその男の姿を目で追っていたが、やがて興味を失ったのか僕の方へと向き直った。
「……あれは、薬物の売人でした。僕が取引相手だと勘違いして、話しかけてきたんですよ。人違いだって言ってたのに、しつこくて」
僕がそう告げても、彼は少しばかり目を見張っていただけだった。
僕が薬をやっているなどとは誤解されたくなかったが、そう言う前に、彼は僕を疑っている様子はなさそうに思えた。
「……はあ、そうだったのかよ。ったく、タチ悪いのがそこらにいるからなあ」
金澤先輩はさして関心も深くなさそうにそう言うと、髪に手を突っ込んでいた。
「警察沙汰になるのは、ちょっと勘弁して欲しかったんです。今は体がしんどいんで。金澤先輩が通りがかってくれて、助かりました……」
「まー、そうだろうな。ダイエットでもしてんのかよ?学校の方で会わなくなったのは、どしたんよ?具合でも悪いのか?」
「……まあ、そんなようなものです」
ここ最近、ろくに食事を摂りもしていないし、自分で鏡を見る都度痩せたなと思う。
病院に行けとまでは言われないが、そろそろ危険水域かと感じていた。
「ちょうどいいや。荷物持ってやるよ。こっからおまえんちって、それなりに距離あるよな?」
僕が抱えていた本の袋を僕から取り上げると、軽々と金澤先輩はそれを持った。
「いいですよ、それくらい。自分で持ちますって」
「いや、おまえにゃまだ他に持って欲しいもんがあんだよ。ってことでついて来いや、なっ」
先輩は大股でスタスタと歩いて行ってしまい、早足で向かったのは大きな酒屋だった。
僕が持つカゴの中に、次々と酒やらつまみやらを入れていき、あっと言う間にカゴの中は品物で埋め尽くされた。
それを金澤先輩が持ち上げてレジへと向かう。
「どうせおまえんとこ、誰もいねえんだろ?奢ってやっから飲もうぜ」
「いや、でも――」
それは悪いと言いかける僕を制して、彼はさっさと手早く買い物を済ませてしまった。
「誰も説教なんかしねえから。うぜえ先公とか来たんだろ、どうせ?一人で飲むのもなんだから、つきあえよ」
説教はしないと言う彼の言葉に甘えて、僕は荷物の半分程度を持ちながら、自宅へと金澤先輩を招く成り行きになってしまった。
不思議なほどあっさりと、やや強引とも思える彼の行動を受け容れてしまったのは、さすがに少しだけ人恋しくなったせいかもしれない。
この年上の友人は説教など大嫌いで、いつだって飄々としていて、堅苦しい行儀作法を嫌う自由闊達な人だ。
だから、おかしな先輩風を吹かすことなどもない。
結構な荷物になってしまったので歩くのを嫌い、タクシーで僕の家へと行く運びになった。
久しぶりに他人と会話を交わしたと思ったら、それが薬物販売の犯罪者とは……
僕は久々に、自嘲ではあるがおかしくなって笑ってしまった。
急に笑い出した僕の声に驚いたのか、金澤先輩が問うてきた。
「どしたんだよ、おまえ?」
「――いや。久々なんですよ、街中に出たのも、お手伝いさんや身内以外と話したのは。その第一声が、薬の売人とかって。なんだかなと……」
あのままあの男と一緒にいたなら、どうなっていただろう。
一本と言うのはおそらく一万円のことだろう、冷静になるとそんな要らない知識が頭の中から取り出されてきた。
殴る蹴るでもされて金を奪われでもしていたか、あるいは……
薬物を押し付けられたかもしれないとぼんやりと考えた。
そこへ偶然だが金澤先輩が通りかかってくれたのは、馬鹿な真似はやめろという警告の意味合いなのかもしれない。
大きな恐怖から解放された瞬間に、さまざまな想いが体の奥底からわっと湧き出てきて、訳がわからなくなりかけていた。
こんな時だからこそ一人でいたくはない――
酩酊に身を任せて、憂さ晴らしをしたいと単純にそう思っていた。
「――無理すんなよな、おまえさ」
ぼそりと、金澤先輩はそれだけ呟いた。
何故だか急に目の奥が痛んで、ここがタクシーの狭い車内でさえなければ、きっと子供のように嗚咽を漏らしていたかもしれない。
そんな衝動を必死にこらえようとして、唇を血が出るほどきつく噛み締めて、両の拳を固く握り締めていた。
今……優しく接されるのは、嬉しい反面、とても辛かった。
多くを語らずにいる金澤先輩の、素っ気ない優しさが骨身に沁みていく。
情けない、しっかりしろ、立ち直れと怒鳴られるよりもよっぽど、こんな僕の姿を見ても叱責するような言葉を言われない方が心に響いた。
彼を僕の家に招くのは、とても久しぶりだった。
姉が生きていた頃には姉の友人たちとともに、彼も何度もここへ訪れて来ている。
いつのまにか、金澤先輩は姉の友人という立場ではなくて、僕自身のかけがえのない友人になっていた。
他人は皆、異口同音に「辛い気持ちはわかる」と、知ったかぶりで前置きをしてきた。
だが、有り余るほどの僕の稀有な才能をこのまま捨てていいわけがないと、僕の意思など無視して説教の始まりだ。
中には音楽界の損失だなどと、失笑ものの大袈裟な文句まで聞かせてくれた教師もいたほどだった。
周囲が僕を立ち直らせようと躍起になるほど、逆に僕の心情は重く淀んでいき、どんな言葉を聞かされても、上辺だけのきれいごとばかり並べるなと、頑なに心をくすませていくばかりだ。
望んでも手に入らないほどの才能の持ち主だと、ある教師は僕を指してそう言った。
――だからなんだ?
持てる者だからこその奢りだとでも言いたいのか?
こちらは、望んで音楽的才能を手に入れたわけではない。
たまさか優れた音楽の才能を血脈に伝える一族に生まれ落ち、物心つかないうちから音楽に囲まれ、何がなんだかわからないうちに、気付けば持て囃されていた。
曰く、早熟の天才だの、余人が羨むほどの天賦の才だのと、こそばゆくなるような褒め言葉を浴びるほど受けてきた。
その総てが――
姉の突然の客死という事件において、暗闇の中へと葬り去られてしまった……
今の僕は音楽が姉を不幸にした、早死にを招いたのだと、そう思っていた。
アルジェントら音楽の妖精どもが、口々に言っていた「音楽は人を幸せにする」という謳い文句は、空々しい嘘にしか思えない。
それなら姉は?
幸せだったなどと思えるのか?
恋も知らずに恋の調べを美しく奏でていたあの人は、若くしてその生命を音楽に擲ち、全てを捧げて死んでしまった。
音楽の才能など要らないから、平凡でもいいから、僕は姉に生きていて欲しかった……
それだけが僕の望みだった。
ファータが授けてくれたという音楽の祝福など要らない。
今の僕には、それが呪詛の産物のようにしか解釈できない。
自分が望んだ訳ではない生き方を、生まれる前から定められていたというのは勝手な話だ。
僕には僕の人生があり、生き方を模索する自由だってあったはずだ。
音楽の道を進むというのは、今の僕にとっては生き地獄そのままであり、茨の道を、無間地獄を進んでゆかねばならないのと同じだ。
やがて精神的に崩壊してしまうのが目に見えている。
生ける屍が奏でる音楽など、呪いの調べにしかなりようがないだろう。
――まったく、笑い話にもなりやしない……
僕は、自室に金澤先輩を招きながら、酔いに任せてあれこれと喋った、喋りまくった。
彼はただ僕の話を聞くだけで、時折相槌を打っている。
後で知ったのだが、これは心理学で使われる傾聴という手法らしく、カウンセリングの時などによく使用されるらしい。
精神科や心療内科へと出向こうとする発想すら浮かばずにいた僕の、嵐のような感情の受け容れ先になってくれたのは、年上の友人である金澤先輩だけだった。
今の僕を否定せず、ありのまま、みっともなく足掻く姿を見ても「ああ、そうか」と認めてくれている。
それがどんなにありがたかったか、僕は感謝の気持ちが尽きなかった。
聞き覚えのある張りのあるテノールの声が僕を呼び止め、その声の主を振り返った。
「……金澤先輩?」
彼が少し驚いた風で眼を見開き、僕を見ていた。
「何やってんだよ。あいつ知り合いか?」
僕を追って来ようとしたスカジャン男が、背が高く体格もいい金澤先輩と僕が話しているのを見て、慌てたように逃げ去って行ってしまった。
「……なんなんだ、ありゃ?」
金澤先輩は怪訝そうにその男の姿を目で追っていたが、やがて興味を失ったのか僕の方へと向き直った。
「……あれは、薬物の売人でした。僕が取引相手だと勘違いして、話しかけてきたんですよ。人違いだって言ってたのに、しつこくて」
僕がそう告げても、彼は少しばかり目を見張っていただけだった。
僕が薬をやっているなどとは誤解されたくなかったが、そう言う前に、彼は僕を疑っている様子はなさそうに思えた。
「……はあ、そうだったのかよ。ったく、タチ悪いのがそこらにいるからなあ」
金澤先輩はさして関心も深くなさそうにそう言うと、髪に手を突っ込んでいた。
「警察沙汰になるのは、ちょっと勘弁して欲しかったんです。今は体がしんどいんで。金澤先輩が通りがかってくれて、助かりました……」
「まー、そうだろうな。ダイエットでもしてんのかよ?学校の方で会わなくなったのは、どしたんよ?具合でも悪いのか?」
「……まあ、そんなようなものです」
ここ最近、ろくに食事を摂りもしていないし、自分で鏡を見る都度痩せたなと思う。
病院に行けとまでは言われないが、そろそろ危険水域かと感じていた。
「ちょうどいいや。荷物持ってやるよ。こっからおまえんちって、それなりに距離あるよな?」
僕が抱えていた本の袋を僕から取り上げると、軽々と金澤先輩はそれを持った。
「いいですよ、それくらい。自分で持ちますって」
「いや、おまえにゃまだ他に持って欲しいもんがあんだよ。ってことでついて来いや、なっ」
先輩は大股でスタスタと歩いて行ってしまい、早足で向かったのは大きな酒屋だった。
僕が持つカゴの中に、次々と酒やらつまみやらを入れていき、あっと言う間にカゴの中は品物で埋め尽くされた。
それを金澤先輩が持ち上げてレジへと向かう。
「どうせおまえんとこ、誰もいねえんだろ?奢ってやっから飲もうぜ」
「いや、でも――」
それは悪いと言いかける僕を制して、彼はさっさと手早く買い物を済ませてしまった。
「誰も説教なんかしねえから。うぜえ先公とか来たんだろ、どうせ?一人で飲むのもなんだから、つきあえよ」
説教はしないと言う彼の言葉に甘えて、僕は荷物の半分程度を持ちながら、自宅へと金澤先輩を招く成り行きになってしまった。
不思議なほどあっさりと、やや強引とも思える彼の行動を受け容れてしまったのは、さすがに少しだけ人恋しくなったせいかもしれない。
この年上の友人は説教など大嫌いで、いつだって飄々としていて、堅苦しい行儀作法を嫌う自由闊達な人だ。
だから、おかしな先輩風を吹かすことなどもない。
結構な荷物になってしまったので歩くのを嫌い、タクシーで僕の家へと行く運びになった。
久しぶりに他人と会話を交わしたと思ったら、それが薬物販売の犯罪者とは……
僕は久々に、自嘲ではあるがおかしくなって笑ってしまった。
急に笑い出した僕の声に驚いたのか、金澤先輩が問うてきた。
「どしたんだよ、おまえ?」
「――いや。久々なんですよ、街中に出たのも、お手伝いさんや身内以外と話したのは。その第一声が、薬の売人とかって。なんだかなと……」
あのままあの男と一緒にいたなら、どうなっていただろう。
一本と言うのはおそらく一万円のことだろう、冷静になるとそんな要らない知識が頭の中から取り出されてきた。
殴る蹴るでもされて金を奪われでもしていたか、あるいは……
薬物を押し付けられたかもしれないとぼんやりと考えた。
そこへ偶然だが金澤先輩が通りかかってくれたのは、馬鹿な真似はやめろという警告の意味合いなのかもしれない。
大きな恐怖から解放された瞬間に、さまざまな想いが体の奥底からわっと湧き出てきて、訳がわからなくなりかけていた。
こんな時だからこそ一人でいたくはない――
酩酊に身を任せて、憂さ晴らしをしたいと単純にそう思っていた。
「――無理すんなよな、おまえさ」
ぼそりと、金澤先輩はそれだけ呟いた。
何故だか急に目の奥が痛んで、ここがタクシーの狭い車内でさえなければ、きっと子供のように嗚咽を漏らしていたかもしれない。
そんな衝動を必死にこらえようとして、唇を血が出るほどきつく噛み締めて、両の拳を固く握り締めていた。
今……優しく接されるのは、嬉しい反面、とても辛かった。
多くを語らずにいる金澤先輩の、素っ気ない優しさが骨身に沁みていく。
情けない、しっかりしろ、立ち直れと怒鳴られるよりもよっぽど、こんな僕の姿を見ても叱責するような言葉を言われない方が心に響いた。
彼を僕の家に招くのは、とても久しぶりだった。
姉が生きていた頃には姉の友人たちとともに、彼も何度もここへ訪れて来ている。
いつのまにか、金澤先輩は姉の友人という立場ではなくて、僕自身のかけがえのない友人になっていた。
他人は皆、異口同音に「辛い気持ちはわかる」と、知ったかぶりで前置きをしてきた。
だが、有り余るほどの僕の稀有な才能をこのまま捨てていいわけがないと、僕の意思など無視して説教の始まりだ。
中には音楽界の損失だなどと、失笑ものの大袈裟な文句まで聞かせてくれた教師もいたほどだった。
周囲が僕を立ち直らせようと躍起になるほど、逆に僕の心情は重く淀んでいき、どんな言葉を聞かされても、上辺だけのきれいごとばかり並べるなと、頑なに心をくすませていくばかりだ。
望んでも手に入らないほどの才能の持ち主だと、ある教師は僕を指してそう言った。
――だからなんだ?
持てる者だからこその奢りだとでも言いたいのか?
こちらは、望んで音楽的才能を手に入れたわけではない。
たまさか優れた音楽の才能を血脈に伝える一族に生まれ落ち、物心つかないうちから音楽に囲まれ、何がなんだかわからないうちに、気付けば持て囃されていた。
曰く、早熟の天才だの、余人が羨むほどの天賦の才だのと、こそばゆくなるような褒め言葉を浴びるほど受けてきた。
その総てが――
姉の突然の客死という事件において、暗闇の中へと葬り去られてしまった……
今の僕は音楽が姉を不幸にした、早死にを招いたのだと、そう思っていた。
アルジェントら音楽の妖精どもが、口々に言っていた「音楽は人を幸せにする」という謳い文句は、空々しい嘘にしか思えない。
それなら姉は?
幸せだったなどと思えるのか?
恋も知らずに恋の調べを美しく奏でていたあの人は、若くしてその生命を音楽に擲ち、全てを捧げて死んでしまった。
音楽の才能など要らないから、平凡でもいいから、僕は姉に生きていて欲しかった……
それだけが僕の望みだった。
ファータが授けてくれたという音楽の祝福など要らない。
今の僕には、それが呪詛の産物のようにしか解釈できない。
自分が望んだ訳ではない生き方を、生まれる前から定められていたというのは勝手な話だ。
僕には僕の人生があり、生き方を模索する自由だってあったはずだ。
音楽の道を進むというのは、今の僕にとっては生き地獄そのままであり、茨の道を、無間地獄を進んでゆかねばならないのと同じだ。
やがて精神的に崩壊してしまうのが目に見えている。
生ける屍が奏でる音楽など、呪いの調べにしかなりようがないだろう。
――まったく、笑い話にもなりやしない……
僕は、自室に金澤先輩を招きながら、酔いに任せてあれこれと喋った、喋りまくった。
彼はただ僕の話を聞くだけで、時折相槌を打っている。
後で知ったのだが、これは心理学で使われる傾聴という手法らしく、カウンセリングの時などによく使用されるらしい。
精神科や心療内科へと出向こうとする発想すら浮かばずにいた僕の、嵐のような感情の受け容れ先になってくれたのは、年上の友人である金澤先輩だけだった。
今の僕を否定せず、ありのまま、みっともなく足掻く姿を見ても「ああ、そうか」と認めてくれている。
それがどんなにありがたかったか、僕は感謝の気持ちが尽きなかった。
PR
この記事にコメントする
>ユードさんへ
ありがとうございます♪
そう言えば、高一・高三・現在、それから未来(33)の理事長のお話でしたね♪
確かにいろんな年代のだ…飽きもせずよく続くなと思うのは、ひとえに妄想力に尽きますね!
心情が伝わってくるとのこと、嬉しいです。なるべく彼の心理を読み解けるように書いて
いこうと思っています。
吉羅理事長視点のお話、結構好評なようで書いてみてよかったと思います♪ありがとうございます!
文化祭の後に、彼視点のお話を(H有りで)描くつもりですので、今少しお待ちくださいませ♪
そう言えば、高一・高三・現在、それから未来(33)の理事長のお話でしたね♪
確かにいろんな年代のだ…飽きもせずよく続くなと思うのは、ひとえに妄想力に尽きますね!
心情が伝わってくるとのこと、嬉しいです。なるべく彼の心理を読み解けるように書いて
いこうと思っています。
吉羅理事長視点のお話、結構好評なようで書いてみてよかったと思います♪ありがとうございます!
文化祭の後に、彼視点のお話を(H有りで)描くつもりですので、今少しお待ちくださいませ♪
>あたそん君へ
……私の顔色の悪さは以前から話題だが、薬物中毒の患者と間違えられるとはね。
笑ってしまった?……せいぜい楽しんでくれたまえ。
そうだな、自分から音楽への道を断ち切った私と、否応なく音楽への道を奪われてしまった
金澤さんとでは、その後の人生もまったく違ったものになってしまった。
自堕落に過ごして生活が荒れた後に享楽に走った私と、落ち込む余りにどん底にまで落ちた
金澤さんと……荒れたという過程は一見似たようなものに映るだろうが、もはや姉以上に大事な
ものを失う恐れはなかった私と、最愛の人と同時に生涯の天職だったオペラ歌手への道を断たれ、再生の
望みを無くした金澤さん。
喉の状態も、当時は回復の程度はよくなかったが、コルダffでは短時間なら美声で歌えるまでに
回復している。苦しんだ甲斐もあったというものだろうね。
いずれ、金澤さんがどん底の状況に陥り、私が叱咤する展開を回想してもいいかもしれないな。
もっと先の話にはなるだろうが。
笑ってしまった?……せいぜい楽しんでくれたまえ。
そうだな、自分から音楽への道を断ち切った私と、否応なく音楽への道を奪われてしまった
金澤さんとでは、その後の人生もまったく違ったものになってしまった。
自堕落に過ごして生活が荒れた後に享楽に走った私と、落ち込む余りにどん底にまで落ちた
金澤さんと……荒れたという過程は一見似たようなものに映るだろうが、もはや姉以上に大事な
ものを失う恐れはなかった私と、最愛の人と同時に生涯の天職だったオペラ歌手への道を断たれ、再生の
望みを無くした金澤さん。
喉の状態も、当時は回復の程度はよくなかったが、コルダffでは短時間なら美声で歌えるまでに
回復している。苦しんだ甲斐もあったというものだろうね。
いずれ、金澤さんがどん底の状況に陥り、私が叱咤する展開を回想してもいいかもしれないな。
もっと先の話にはなるだろうが。
プロフィール
HN:
yukapi
性別:
女性
職業:
派遣社員だけどフルタイム 仕事キツい
趣味:
読書。絵を描くこと、文章を書くこと。
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